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2007年6月12日 (火)

そこに広がる真実は

社会保険庁の不祥事続きで、連日国会もニュース媒体も、この話題で持ちきりになっています。確かに年金を管理する組織が年金の記録のずさんな管理を行い、誰の年金であるかを判らない状態になってるのは言語道断。これまでも年金財源を乱脈な使途で失いながら誰も、その責任を問われないに等しい状況であったのも国民の怒りが高まる要因になっている。

しかし、今日はそんな話題から別の側面の分析をお話ししてみたいと思います。

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_06/t2007060418.html

「社保庁と自治労(全日本自治団体労働組合)が、労働条件向上を優先する覚書などを何度も交わしていたことが4日、分かった。」

こういう報道が,ここのところ目立つようになってきました。内容を見てみると何とも馬鹿馬鹿しい物ばかりで、リストラの洗礼をうけてきた民間企業の労働者から見たら、まさに"ふざけるな"といいたくなるようなお話ばかりです。こんな労働協定を指示した自治労が実は民主党や社民党の有力支持団体であることを皆さんはご存じでしょうか。

上でご紹介している記事には、こんな下りがあります。『永田町関係者は「自治労側の徹底抗戦で作業スケジュールが遅れた。このため、(年金記録消失の一因である)大量の入力ミスが発生した面はある」と解説する。』悪いのは自治労だというお話です。

思い起こせば今から20数年前。中曽根内閣の時に国鉄(日本国有鉄道)は分割・民営化されました。国鉄の民営化は中曽根首相の強い意志で実現し、当時はその手腕を評価する声が高かったものです。巨額の赤字を抱え、国労(国鉄労働組合)という強力な労働組合が君臨していた国鉄は、まさに今の社保庁と何ら変わらないようなお荷物でした。表向き、そんな国鉄を解体・民営化して再生させるというのが目的だとして、マスコミも巻き込んでキャンペーンが行われ国労=国鉄の癌というイメージが浸透し、解体止むなしという世論が形成されたのでした。

しかし後年、中曽根氏はこんな発言をしています。『分割・民営化の狙いについて「総評を崩壊させようと思ったからね。国労が崩壊すれば、総評も崩壊するということを明確に意識してやったわけです」(AERA:1996年12月30日・1997年1月6日合併号)。

(注)『総評』(日本労働組合総評議会)は日本最大の全国的労働組合中央組織として政界にも大変な影響力を有していましたが、1989年連合(日本労働組合総連合会)に合流して今は存在しません。この『総評』の大きな勢力が官公労組でした。

    * 日本官公庁労働組合協議会(官公労)

    * 全日本自治団体労働組合(自治労)

    * 日本教職員組合(日教組)

    * 公共企業体等労働組合協議会(公労協)

          o 国鉄労働組合(国労)

          o 国鉄動力車労働組合(動労)★国鉄分割民営化を前に脱退

          o 全逓信労働組合(全逓・現日本郵政公社労働組合)

          o 全国電気通信従業員組合(全電通・現NTT労働組合)

中曽根内閣の官房長官、後藤田正晴氏も政界引退後に、あるテレビ番組(「平成にほんのよふけ」)に出演して「社会党を崩壊させるには、国鉄を民営化して国労を潰さないとだめだからね」と発言していました。要するに国鉄民営化の裏の目的は政敵の支援団体壊滅という計略だったことになります。中曽根内閣はもう一つの巨大労組であり総評の中核であった全電通(全国電気通信従業員組合)がある電電公社の民営化も見届けています。

この視点で小泉内閣の郵政民営化を見てみるとどうでしょうか。戦後間もない1949年、逓信省が郵政省と電気通信省(後の電電公社、現NTT)に分割された際に。郵政省には全逓(現日本郵政公社労働組合)、電気通信省には、全電通(全国電気通信従業員組合)という組合が結成されます。国鉄同様に職員数の多かった郵政省と電気通信省では、その組合員数も多かったのは当然です。全逓の場合最盛期には、郵政省の職員数が26万人の時代に組合員は24万人、組織率90%という時代がありました。(全電通の方は現在NTT労組と名称を変えていますが2005年現在で24万人を組合員を有しています。)もちろん現在の最大労組『連合』の一大勢力でもあるんですから、この団体を民営化することは国労の場合と同じ効果を期待できるのではないでしょうか。

中曽根元総理の目指した『総評』解体は後に成功します。

公共企業体等労働組合協議会の労組は、中曽根・小泉内閣によって全て民営化されるか、その道筋が付けられてしまいました。そして今批判にさらされているのは社保庁の職員が多く加盟する自治労。安倍内閣は一見国会で民主党から社保庁問題、年金問題で批判の矢面に立たされているように見えますが、社保庁不信は社保庁の解体・民営化につながる追い風でもあります。そして民営化に伴い自治労の組合員は確実に経るのです。この影響力の低下は、その支持を受ける政党(民主党と社民党)にも及びます。

安倍内閣はやられているようで、実は確実に民主党と社民党を追いつめてる事に成りはしないでしょうか。


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