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2009年1月23日 (金)

やっぱり日本に金をだせってことか

http://mainichi.jp/select/world/news/20090123ddm002040053000c.html

「韓国人強制連行被害者らによる慰謝料請求訴訟で韓国最大手の製鉄会社「ポスコ」(旧・浦項製鉄)は22日、被害者救済の基金へ出資するよう求めたソウル高等裁判所の和解勧告に対し異議申請書を提出した。韓国の裁判所が戦後補償問題で韓国企業の社会的責任を促した初の和解勧告が不調に終わったことで、被害者らが準備を進めている基金創立に向けた資金集めは厳しい見通しとなった。」

「韓国人強制連行被害者」というのは、日韓併合時代を経て日本人になった朝鮮半島の人を、日本が日本本土に強制連行して苦役をさせられたと訴えている、あの強制連行の人々のことです。

日本でも同様な訴訟が起こりましたが、1965年に締結した『日韓条約』(正確には「日韓基本条約」や「日韓請求権経済協力協定」などの総称)では、締結交渉の中で、日本が経済協力資金を拠出する代わりに、韓国が個人補償など8項目の対日請求を放棄する方針に両国が同意しています。日本の裁判所は、同協定で対日請求問題が「完全かつ最終的に解決された」と明記されており、韓国政府と同国民の対日請求権が消滅したとする解釈を示して門前払いになっていたと記憶しています。

1965年当時の韓国は朝鮮戦争の痛手から立ち直り、国家を再建していく過程で日本からの資金援助を必要としていた時代背景がありました。『日韓条約』はいわば、その資金を引き出すために結ばれたといっても過言ではありません。実際、日本との請求権経済協力協定による経済協力資金(無償3億ドル、有償2億ドル)を得て、韓国政府は重工業を興すことから始め製鉄会社「ポスコ」(旧・浦項製鉄)を設立したという経緯があります。この後もベトナム戦争に韓国軍が参戦し、その見返りとしてアメリカ政府から資金を引き出したりもして、「漢江の奇跡」と自画自賛した韓国経済の隆盛を作る基礎を固めたという歴史は、軍事独裁政権であった朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代の話なので、どうやら民主化以降の韓国国内では忘れられた歴史になっているようです。

ソウル市内の地下鉄建設も最初の路線工事の原資は日本のODAから出た資金ですし、『日韓協定』以後に、有償・無償を含めて現在の価値で2兆円以上の資金が韓国には提供されたと言われています。

記事にもあるように韓国最大手の製鉄会社「ポスコ」(旧・浦項製鉄)は、日韓国交樹立の際に締結された援助金のうち1億1950万ドルをつぎ込んで、1968年に設立された会社です。同時に日本は造船技術も韓国に提供し、製鉄所の鉄が造船所で船になり、一時は世界一の造船大国になる基礎を固める道筋をつけたのも、この頃の話です。

今回の裁判で原告である韓国人強制連行被害者達は、請求権経済協力協定で韓国に提供された5億ドルは韓国国民への戦後賠償金であって、それを国が使うのは不法であり、国民一人一人に支払うべきだという論理から、その資金の約4割を使って設立された「ポスコ」を訴えたという訳です。つまり、「ポスコ」は被害者の受け取るべき資金を使ったため補償が妨害され、精神的苦痛を受けたという趣旨での提訴でした。

ソウル地裁は2007年8月に、その訴えを棄却。原告が控訴していたので、裁判所は和解勧告を出して、被害者を救済する基金を設立することにして、「ポスコ」にも資金の拠出を求めたが、それが拒否されたというのが記事の内容です。

この動きには実は裏があります。

盧武鉉前政権時代の2005年1月。日本の経済協力資金で1975年に実施された民間請求権補償法が不十分だったとして、盧武鉉大統領は追加支援を表明。2008年6月に、死傷者1人当たり2000万ウォン(約134万円)以下の慰労金支給などを盛り込んだ『国外強制動員犠牲者等支援法』が施行されました。申請者約3万5千人の中から、約7千名が支給を受けたとされていますが、政府は財源不足を理由に支援法対象者から無傷の生存者を除外したために、運動を続けてきた被害者団体内部で死傷者家族と生存者との間に亀裂が生じていました。

そこで被害者団体の一部勢力が、政府の財源不足を補充するため、日本の経済協力資金で設立された「ポスコ」や「道路公団」に資金拠出を働きかけをはじめ、それが上手く行かないために、「ポスコ」に慰謝料を求める訴訟へと動いたのでした。ポスコ訴訟を起こした崔鳳泰弁護士は「ポスコが和解に応じて基金に拠出すれば、他の企業も同調する可能性がある。最終的には日本の責任ある企業にも働きかけ、日韓の和解を目指したい」という趣旨の考えを話しています。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090116ddm007040112000c.html

要するに韓国で前例を作り出し、次に日本で強制連行された労働者を使役したとされる日本企業にも同様に資金の提供を求めるというのが本当の狙いでしょう。日本政府を訴えても裁判自体が門前払いとなるのなら、民間企業へその矛先を向けるしかないというお話しです。

ついでに書いておけば、日韓の和解をしたいんだったら竹島をまず和解交渉の俎上に載せなさいって。

まあ、こんな陰険戦法を考えつくのは、北朝鮮のイリーガルな連中なんじゃないですか。

私見ですが、朴大統領の方針は今の韓国を見たら判るように、正しかったと思います。もしも戦後賠償金を国民に分配してたら、そんな僅かなお金はとうに使われてしまい、韓国は未だにユニセフが食料援助をしないといけない最貧国の一つだったかもしれませんし、民主化なんて夢のまた夢だったかもしれません。

自分達の過去の歴史を学ばないということの愚かさを知る反面教師のようなお話しです。

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