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2009年2月 5日 (木)

もう舵は戻されてる

「読売新聞社が1月31日~2月1日に実施した面接方式の全国世論調査で、首相に最もふさわしいと思う国会議員を聞いたところ、トップは小泉元首相の 14・4%で、小沢民主党代表13・7%、舛添厚生労働相7・5%が続いた。麻生首相は4・7%で、自民党離党で注目された渡辺喜美・元行政改革相の4・ 6%をわずかに上回った。」

マスコミとしては悔しいんだろうなぁ。ここ2年ほど小泉改革を叩いてきたのに、世論はそのベクトルを無視してるんだから。

曰く”小泉改革は格差社会を出現させた”、”小泉改革の成果であった派遣法の改正が今のネットカフェ難民を生み出した”、”外資の参入を大幅に認めた結果、日本はハゲタカファンドに根こそぎやられてしまった”等々。

でも、少し頭のある人なら、小泉総理が竹中平蔵氏を経済政策のブレーンに据えた時点で、アメリカ型の小さな政府という方向性は見て取れたはず。小 泉改革が目指すのは、真の自由競争と自己責任社会への転換。つまり政府や自治体が財政によって様々な支援をするのではなく、競争に負けてホームレスになる のも自己責任。そもそも税金を払わない時点で市民でも国民でもないという冷徹な社会改革を目指していた。

それを国民に伝えようともせず、景気回復優先、財政再建優先という矛盾する改革を、国の予算の見直し、公務員の削減による人件費の抑制という緊縮財政に読み替えられるというペテンに相乗りしたのはマスコミだったんじゃないですか。

私自身、派遣労働者が3年だったら正社員なんていう詭弁は信じる気にもなれなかったですが。2年11ヶ月で一旦解雇して、1ヶ月後に再雇用なんて 芸当は教育界では昔々からやってた手法ですからね。要は3年継続して雇用しないなら正社員にする義務はないと言うやり方は経営者の立場からしたら当然で しょう。だからこそ真の自由社会なら、そこで各個人が弁護士を立てて地位保全を訴えて、100人斬ったら、100件の訴訟が起こるような社会にするため に、弁護士の大増員を目指して法科大学院が出来たんじゃないですか。

なのに共産党などは相変わらず自治体の財布をアテにした生活保護申請に向かわせようとしてる。その財政基盤はどこから手当てするのかは、派遣労働 者の中で派遣斬りにあった全員が生活保護を受給して、財政的に破綻する状況を作り出してから、全体の予算の配分を政治問題にする腹なんです。でも生活保護 から抜け出せない人が増えていったら当然共産党はケツをまくるんです。弱小党ですから、国会審議で我々の主張は無視されたと言えばいいんですから気楽です よ。取り敢えず「政府の責任だ!」で何でも括れちゃうんだから。

セーフティーネットは出来るだけそのネットを使わないで頑張るというモラルで維持されるものです。みんなでネットにぶら下がれば糸は切れて全員が 沈んでしまう。「働かざる者、喰うべからず」と言ったのは中国共産党でした。ソ連では失業して三ヶ月経っても職が見つからない者は不労罪で収監される法律 がありました。共産主義国家でもセーフティーネットの張力は日本の現状と大して変わらないと言うことです。

日本社会は1950年代後半からの社会主義的資本主義国家として、ヨーロッパ型に近い社会機構の整備をして、世界第二位の経済大国まで登り詰め た。なのに、血液型の違うアメリカ型資本主義こそが第一位への道とばかりに、輸血出来ない筈の血液を入れようとするから、拒絶反応が強く出て来るんです。

小泉改革だって、結局景気対策を先にやらざる得なくなって、不良債権処理に国が組織を作り、法律を作って対応したから、昨年までの好景気が出現したんです。国民が小泉元総理を未だに支持してる理由も、そこにあるんです。

一方で小泉改革は財政再建の御旗も降ろせないから、歳出面で三位一体改革を進めて、地方への補助金をカットする一方で、金だけ渡して地方が使い道 を決めるという丸投げも抱き合わせてやったり、財政削減のために医療費カットを目指して「後期高齢者医療制度」なんていうペテンも実行し、改革という名で 予算削減に大なたを振るった。今その効果が出てきた。地方も使えるお金がないから、国を見習って財政削減を嫌でも進めないといけなくなって、知事にはそれ が出来る人を有権者が選ぶようになってきました。

ダイエットすると誓ったのに、あちこち不便で苦しいから止めますというのなら、昔の暮らしが良いと思うのなら、規制緩和はやめて規制強化に動いて いくしかないんですよ。外資の金融への参入は20年前のレベルに引き戻し、ハゲタカファンドが一流企業の株主になれないようにしないと、雇用を守って従業 員と共生する企業なんてやれる訳がない。なにせあちらは、もの言う株主さんです。仕事がないのに無駄な労働力に無駄金を払うなと圧力を掛けてでも配当は払 えと迫ってくるんですから。

実際は、ライブドア事件や村上ファンド事件で株主が一番偉いと公言した時代の寵児二人が司法の壁の向こうへ落ちた時点で、日本政府は小泉改革を否 定する路線にハンドルを切ってます。100年に一度の不景気は、実は規制強化・政官主導の中央集権化への追い風なんです。国債を景気対策のために大増刷し て、内部留保のある銀行に引き受けさせて、兎に角公共投資で金をばらまいて、自民党の本来の支持基盤である建設土木業界を勢いづかせる。食糧自給率向上の ため支持基盤の農協を通して公的資金が農業振興につぎ込まれる。減反じゃなくて米増産、米輸出で儲かる農家を作るとか言う。政権を渡してたまるかと自民党 は選挙のためにも公金をばらまくのは当然です。

麻生総理は消費税の増税に拘ってるのは、ヨーロッパ型社会へ戻すためには、消費税は15%程度は必要。そうしないと、このバラマキの後始末が出来 ないという心配からです。そして日本は20年後には消費税20%を越える国になるでしょう。労働人口の納める所得税はあてに出来ない。無職の人でも生活保 護の人でも、ものを買えば消費税は支払う。その納税がセーフティネットを支える原資になる。そういう社会への転換が始まろうとしてるんです。

むろん、アメリカはそうなったら決まり文句の門戸開放とか言い出すでしょう。でも少なくても数年はそんなことには構ってられないでしょうから、今が絶好のチャンスなんです。日本はどうやってもアメリカ型の社会機構には馴染まないんです。ぬるま湯大好きなんですから。

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