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2012年8月28日 (火)

アメリカに学ぶことはまだある

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2134266&media_id=4

「米アップルは27日、カリフォルニア州北部連邦地裁に、韓国サムスン電子製のスマートフォン(多機能携帯電話)計8機種の米国販売差し止めの仮処分を申請した。同じ裁判所を舞台にアップル「iPhone(アイフォーン)」関連特許の侵害を認めた、先の陪審評決を踏まえた措置。連邦地裁は9月20日、販売差し止めをめぐり両社代理人を呼び、改めて審問を行う予定。その後、評決に基づきサムスンによる特許侵害と差し止めの可否について、最終的に判決を下す見通し。」 

米アップルと韓国のサムスン電子の米カリフォルニア州連邦地裁でのスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)などの特許侵害をめぐる訴訟は24日、陪審団がアップルの一部特許が侵害されたと判断し、10億ドル超の損害を認定。アップルの全面勝利となりました。上の記事を勝訴を受けて次のステップという訳です。

如何にもアメリカらしいとお思いの方もおられるでしょうね。しかし、これは世界では当たり前のお話しです。

米電子機器大手アップルなどが中国国内における多機能端末「iPad」の商標権所有の確認などを求めていた訴訟で、広東省深セン市の中級人民法院(地裁)は6日までに、同社の訴えを退ける判決を言い渡した。報道によると、被告となった深センのIT企業は2001年、中国国内で「iPad」を商標登録。アップル側は09年、各国で「iPad」を商標登録していた被告会社と同グループの台湾企業から、3・5万ポンド(約420万円)で全世界の商標権を譲り受けることで合意した。判決は、商標権の譲渡契約は所有者と結ばなければならないと指摘。台湾企業は被告会社の「代理者」には当たらず、訴えは法的根拠がないと判断した。(共同通信:2011/12/06 23:25 )


2006年にアップルがiPadの販売を計画していた頃、当時の世界大手ディスプレイメーカーだった唯冠国際の台湾子会社が世界各地で「iPad」の商標権を獲得していたため、アップルは400万円程度で唯冠国際から商標を買い上げたのです。ところが、この買い上げた商標に中国本土でのiPadの商標権利が含まれていませんでした。迂闊にもアップルはそのことに気付かずに中国でのiPadの販売を発表しました。すると待ち構えていたかのように唯冠科技(深圳)公司という企業が商標権を侵害されたと訴訟を起こしてきました。そして前述のようにアップルは敗訴となったというわけです。

この結果、アップルは中国本土でiPadという名称を利用できなくなりますから、販売自体が出来なくなったも同じです。当然アップルは商標譲渡に向けた交渉を唯冠科技(深圳)公司とすることになりました。その交渉で出てきた金額が100億元(約1200億円)という途方もない数字です。

お気づきのように唯冠科技(深圳)公司は、唯冠国際の子会社のひとつです。しかも親会社の唯冠国際は現在破綻も同然となった企業でしかありません。一説では2010年当時の同社の純負債は28億7000万元(約344億円)とされています。さらに金融機関等からの融資38億元(約456億円)の返済が滞っているといわれていました。この負債額を合わせると約67億元。アップルから商標謙譲と得られる金額が100億元という根拠が見えてきます。訴訟を起こした唯冠科技は中国本土におけるiPadの価値を理解した上で、アップルに対してギリギリまで沈黙を保っていたのでしょう。そして、iPadの商標を最も高値で買い取ってもらえるタイミングを見極めて訴訟を起こしたのではないかと思います。しかも、それが会社の起死回生策となっているのですから必死です。

しかし、我々の感覚だと詐欺的手法を合法的に行っているのが大国となった中国ですから、アメリカでもこれは不信感として積み上がっていても仕方がありません。

こうした商標権の訴訟は、アップルだけではありません。有名どころだけもこんなにあります。

○マクドナルド (2011年)
2001年に赤い背景に黄色の『W』ロゴを記した「万代福(ワンダフルワンダフー)」という名の商標を中国企業が登録。マクドナルドはすぐに『W』のロゴは『M』と酷似しており、撤回するように求めたが、商標局はこれを棄却。その後、2010年に「食堂やカフェなどでの使用は禁止」との決定を下したが、現在も係争中。

○ランドローバー (2011年)
英自動車メーカー「LANDROVER」が、中国自動車メーカー吉利社が有する商標「路虎」(LANDROVERを中国語で表記したもの)の商標登録の取消を求めたが、訴えは却下された。その後、ランドローバー社は控訴し、「路虎」の商標登録を取り消す判決が出された。

○セコム (2010年)
セコムの登録商標である「SECOM」と類似するマークの使用中止を求めて、2007年に深圳世強電訊有限公司を提訴。2009年10月にセコムの主張を認め、8万元の損害賠償と「SECOM」と類似するマークの使用を直ちに停止するよう命じる判決を言い渡し、2010年9月に判決が確定した。

○クレヨンしんちゃん (2009年)
中国企業の「商標の登録行為に関しての悪意性を認めた」が、登録から無効請求までに5年以上が過ぎているとして双葉社の訴えを却下し、中国企業の商標登録を認めた。

○青森 (2008年)
2002年7月に広東省広州市のデザイン会社が「青森」の商標登録出願をしたところ、2003年4月に日本の青森県・青森市及び県内24団体が中国商標局に異議申し立てを行い、同年7月に受理された。約4年半経過した2008年2月、中国商標局が日本側の主張を認める裁定を出した。

○バイアグラ (2008年)
中国国内でのED治療薬バイアグラの商標登録をめぐる訴訟は約10年に渡って行われ、2008年4月に中国北京の裁判所で大手製薬会社ファイザー社と広州ウェルマン薬業公司など3社の間で争われた商標侵害の訴訟に関する最終審判決が下り、ファイザー製薬が敗訴した。

○ヤマハ (2007年)
自社商標の無断使用について、ヤマハ発動機が中国の二輪車メーカーなど計4社を相手取り、損害賠償などを求め、最高人民法院は中国メーカーなどに約830万元(約1億3000万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

○無印良品 (2006年)
JBIが中国における「無印良品」および「MUJI」の商標を不正に先行登録。2000年5月、JBIの商標登録の無効取消を求めて訴訟し、取消審決が2005年11月に下された。その後、JBIは出訴したものの、2006年8月に結審。

○トヨタエンブレム (2003年)
トヨタ自動車が、中国の自動車メーカーの吉利汽車(ギーリー)の使っているエンブレムが類似しているとして使用差し止めを求めた商標権訴訟で、北京市第2中級人民法院は、「双方のロゴは明らかに異なり、混乱を招かない」としてトヨタの訴えを棄却する判決を言い渡した。


話しが脱線しましたが、今回のアップル勝訴は、アメリカという大国が、江戸(中国)の敵を長崎(韓国)で討つとばかりに示したようなものです。

で、日本が考えないといけないのが、サムソンが日本企業(代表格はソニー)から合法・非合法に盗んでいった液晶ディスプレイに関する特許権侵害の問題です。現在、液晶ディスプレイ事業に集約をした家電大手のシャープが経営危機に陥っております。竹島問題でギクシャクしている日韓関係を、この問題の訴訟で巨額の賠償金を課す判決を出せたら、外交上はかなりの圧力になることでしょう。

サムソンは韓国GDPの20%を担い、グループの売上高は国家予算並みの企業です。しかも財閥が経営する、いわば一族経営。此処に打撃を与えれば、どんな外交問題もかなり劇的に変化することでしょう。

確かにサムスンは世界一の半導体・液晶メーカーと呼ばれています。しかし、工場で使っている生産機械は全てが日本製。液晶液やガラス板などハイテク素材・部品もほとんどが日本製。 つまり、かなり無理をして巨大企業の看板を背負っています。進化も拙速が要求され続けるため、基礎技術から蓄積を持って、日本や欧米の先端技術にキャッチアップするという手法は取っていません。手っ取り早く金で技術者を引き抜いて、元の会社の技術を移植するという方法が当たり前。平和ボケの日本は、不景気でリストラを重ねる大手家電企業の技術者流出を指をくわえてみていたために、サムスンや中国に金になる技術は流出し続けた結果が、今の日本の家電メーカーの低迷である訳ですし。

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