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2013年5月20日 (月)

潜水艦の探し方

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130520-OYT1T01626.htm?from=rss&ref=mixi


「中国海軍所属とみられる潜水艦が19日に沖縄県・南大東島の接続水域内で潜航した際、

海上自衛隊の哨戒機がこの潜水艦に音響探知機(ソノブイ)の音波を当てていたことが分かった。複数の政府関係者が20日、明らかにした。この水域での潜水艦潜航は今月に入って3件発覚し、中国公船が尖閣諸島(沖縄県)周辺の接続水域内での航行などを繰り返していることと関連する可能性があり、けん制するためとみられる。政府は今後も監視、警戒態勢を強めていく方針だ。潜水艦の識別には通常、艦艇の出す音をとらえる音響探知機を哨戒機から投下し、固有のスクリュー音を聴取して艦種を特定する。この際、相手側に探知されないよう探知機から音波は出さないが、音波をあえて出すことで、相手に日本側が監視していることをわかるようにしたとみられる。(2013年5月21日 読売新聞)」

>潜水艦が19日に沖縄県・南大東島の接続水域内で潜航した際

記事だけ読むと浮上航行していた潜水艦が接続水域(領海の外縁にあり、基線から24海里の範囲にある水域のこと)で潜航したように取れるのですが、これまでの発表では潜航して航行したというものでした。浮上している潜水艦がいたら、写真などから、そのクラスや所属国籍も明らかにされたと思うのですが、ちょっと不思議な書き方でした。

さて、海中を潜りながら航行する潜水艦をどう探知するのかですが、2日から19日にかけて中国の潜水艦とおぼしき艦艇が侵入した海域は、①鹿児島・奄美大島、②沖縄・久米島、③沖縄・南大東島でした。中国側から潜水艦が日本の領海を避けて、太平洋側に出ていこうとする航路は、そう多くもありません。まずは、こうした海域を中心に対潜哨戒機がパトロールをしています。24時間・365日休み無くです。ただし、台風など飛行できない場合もあります。そういう場合に備えるため、護衛艦も同海域で警備活動を行っています。海自の潜水艦も、こうした海域の海中に潜んで、やってくる他国の潜水艦を監視する活動をしています。

そうした活動の主たる手段は”聞き耳を立てる”ことです。聴音機と呼ばれる海中の音を集める装置を用いて、潜水艦が出す音をキャッチします。潜水艦の場合、スクリューを回転させて航行するタイプが主ですから、その回転によって生じる音を探ります。分析は人の耳であったり、コンピューターソフトの解析であったりします。また海中を航行する際に船体が海水に触れることで生じる極低周波の騒音も探知の対象です。

さらに米国海軍は全世界的な監視網を偵察衛星などで行っています。中国の潜水艦基地を出港する姿も監視の対象でしょうから、外洋にでて潜航するまでの姿がまず探知されています。その情報は米海軍から海上自衛隊にももたらされると思われます。

対潜哨戒機の場合、記事にあるように投下式の「音響探知機(ソノブイ)」を用い潜水艦の発する音に聞き耳をたてるのですが、こちらから音波を出して、正確な位置を探る方法も用いられます。ただし、こちらが音を出せば、出した場所が相手に知られます。同時に監視されていることも判明しますので、滅多にそういう方法はとりません。

(米海軍の代表的なソノブイの一つ、「SSQ-47B」と機内格納時用樹脂製ケース(上))

(胴体後部下面にあるソノブイ投下装置へソノブイを搭載する隊員)

ソノブイ以外にも潜水艦(磁性を帯びた潜水艦が少なからぬ磁場の乱れを生み出す)を探知するための磁気探知機も探査に用いられます。「MAD」(magnetic anomaly detector)と呼ばれる装置が対潜哨戒機や護衛艦などには備えられています。


(P-3C 機体尾部のMADブーム)

「MAD」で怪しい磁気の乱れを発見したら、その周囲にソノブイを飛行しながら投下して、円に近い探知網を構築します。ブイからは無線で探知情報が哨戒機に送られてきます。その情報を搭載したコンピュータや分析装置を用いて解析し、捜索の指揮をとるのが戦術航空士(TACCO)です。


(P-3C 戦術航空士(TACCO)席(左)と航法・通信員(NAV/COM)席(右))


(P-3C ソナー員(SS-1、SS-2)席)

今回の場合は、日本側が警報を鳴らして、相手に探知されていることを示さないといけない、何等かの事情が生じたと思われます。一番考えやすいのは警報を発したという考え方ですが、産経新聞がこんな分析を載せています。

小野寺五典防衛相は20日、中国潜水艦の接続水域侵入について記者団にこう述べた。日米韓3カ国は15日、九州西方の東シナ海で米原子力空母ニミッツも展開させ合同訓練を実施。小野寺氏の発言は、中国潜水艦がニミッツの動向を把握するために投入されたとの見方を示唆したものだ。ただ、3度続いた接続水域への侵入は、ニミッツの動向把握にとどまらない。そもそも潜水艦の行動目的は2つ。情報収集とプレゼンス(存在感)だ。海中深く身を潜め、相手国の艦艇の動向を把握するのが前者。後者はその姿をあえてさらすことで、相手国にプレッシャーを与える効果を期待するものだ。そもそも潜水艦の行動目的は2つ。情報収集とプレゼンス(存在感)だ。(産経新聞2013.5.21 12:13


 
米海軍の艦艇の音紋(スクリュー音などの艦艇の発する音のこと)を蒐集することも目的ではなかったかと思われますが、米海軍の機動部隊の対潜哨戒はヘリが中心ですが、相当な対潜哨戒能力を持っています。やすやすと近づけるとも思えません。それに機動部隊には攻撃型原潜が護衛についてるので、海中だって隙はないとも思いますし。

それを破り空母に接近するための情報収集が何時反映されるのでしょう?興味深いです。中国海軍って、いま勃興期なのでしょう。

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