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2013年7月 8日 (月)

アシアナ事故機の操縦士はB-777訓練中

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2495768

「アシアナ航空<020560.KS>は8日、米サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗した事故について、着陸を担当したパイロットはボーイング777型機の訓練中で、同空港に着陸するのは初めてだったと明らかにした。同社の広報は、「ベテランパイロットでも(新機種での)訓練を行う」とした上で、「(着陸を担当した)イ・ガングク氏は経験豊富で、サンフランシスコには別の機種で飛行したことがある」と述べた。一方、米運輸安全委員会(NTSB)は、事故機の飛行速度は目標値を「著しく下回り」、パイロットが着陸失敗の数秒前に着陸をやり直そうとしていたと発表した。イ氏は1994年にインターンとして入社。これまでの飛行時間は9793時間に上っていたが、777型機については43時間だった。事故当時、777型機での飛行時間が3200時間を超える別のパイロットが、教官役を務めていたという。」

”アシアナ事故機の操縦士はB-777訓練中、(B-777での)飛行時間は43時間”って、そのまま読者に伝わると、43時間しか操縦経験の無い稚拙なパイロットが操縦していたから、滑走路に進入する際に高度が低くなり事故を引き起こしてしまったのでは・・・となるのでしょうね。

これと似たような話しに、事故機は副操縦士が操縦していたと報じるのがマスコミは大好きです。読者は副操縦士=見習いの新人と誤解しがちなために事故が起きても仕方がなかったと誘導されるのですが、考えても見て下さい。多数の人命の安全を預かる航空機の操縦士に、着陸が不得手という技量しかない人物に操縦資格が与えられる筈がありません。彼等はフライトシュミレーターによる訓練を充分受けてから、実機の訓練がなされているのですから、特に副操縦士が離着陸に当たっても何か技量上の問題が著しくあるとはいえないのです。ただ、未体験な難しい状況にある場合は機長が操縦するのですし、副操縦士でも可能な状況と機長が判断して任せるのですから、何も危険な事ではありません。

事故を起こしたアシアナ航空(OZ214便)機を操縦していたイ・ガングク操縦士(46)がアシアナ航空に入社したのは1994年。他社の報道では2001年に運送用操縦士の資格を取得して副操縦士としてキャリアをスタートさせたとあります。いわゆる自社養成パイロット組です。韓国は発展途上国の典型で、昔は軍のパイロットが民間航空会社に転職した者で占められていました。それ以外は外国人の出稼ぎパイロットでした。それが経済発展で航空会社も増え、自社要請でパイロット不足を補う必要性が出てきた。イ・ガングク機長も、そんな要請組の早い時期の人ではないかと思います。

話しが逸れましたが、イ・ガングク操縦士は現在は機長となり、2001年から12年間に渡り操縦士として一線で働いてきたベテランです。なにせ、総飛行時間は9793時間ということは、1年で816時間程の経験があります。毎日2時間は飛行していた計算になります。(もっとも、そんな勤務のパイロットは大手航空会社にそうはいませんけれど。)当然、事故が起きたサンフランシスコ空港には別の機体で何十回も着陸していた筈です。

さて旅客機(航空機)は機種ごとに操縦法が異なるため、他の航空機を操縦するためには新しく機種免許を取得する必要があります。運送用操縦士という事業用の基礎免許と機体ごとに機種免許の取得が求められるのが職業パイロットの大変なところです。新型機が導入されると、その導入メンバーにより、他のパイロットが機種変更の資格取得のための訓練が施される。それですこしづつ操縦できる資格保有パイロットが増えていき、導入される機体も増えていくという段取りがあって、新型機が活躍できるというのは旅客機の世界です。事故を起こしたB-777は開発の段階から、就役中のボーイング機からの機種転換が容易なように操縦室の計器配置などを工夫しています。B-777はB-747-400の後継機として売り込むことも視野に入れた機体です。アシアナ航空には、そのB-747もB-767も保有されていますから、何れかの機種免許をイ・ガングク機長を持っていればそう心配はいらないでしょう。報道ではA-320というエアバス社の中型機を操縦していたとありますが、他の機種は報道されていません。とはいえ機種が変わる過程での訓練を受けて乗務したのですから、操縦に慣れ・不慣れはあっても操縦の仕方が判らないと言う話しにはなりません。

ベテランパイロットのイ・ガングク副操縦士と、更にベテランの“教官”として乗務したイ・ジョンミン機長も、さらに交替のために乗り組んでいたはずのパイロットも、何故だか何百回も行ってきた着陸に失敗し、散々訓練した筈の着陸復航にもしくじった。

それは何故?ここからは素人の勝手な想像です。

現在のハイテク機は、着陸もオートランディングモードで行うことが出来ます。事故機のB-777も例外ではありません。このモードを使うには滑走路にカテゴリⅡ以上のILS(計器着陸装置)が設置されている必要があります。事故当時、サンフランシスコ空港28L滑走路の航法誘導装置は故障していた事が報道で明らかになっています。そのため、事故機は手動で着陸をして事故が発生したのは確かです。ただし、パイロットが日常的にオートランディングモードを使用するとは限りません。使うとしたら大雨や霧の時が多いそうです。ですから、事故当日のような晴天のほぼ無風状態では普通使いません。しかし、訓練の一貫でオートランディングモードを使っていたという可能性はないでしょうか。さらにILS装置が故障していた事を知らなかったとしたら。そして装置は何等かの理由で稼働していたが誤情報を送信し続けていたとしたら・・・。不運の連鎖でしょうか。

どうしてそんな事を想像したか。それはマイミクさんが当日のサンフランシスコ空港に居合わせて、こんなつぶやきをしていたから。

映像を見るとだいぶ滑走路の端っこに機体があるのですね。私の搭乗機(UAのB44)の着陸が事故機の2時間前でした。これは恐らく偶然気のせいなのですが、その時も「かなり端っこに降りるんだな」と感じたんです。いま連想しているのは、カナダ太平洋航空機の事故です…。http://t.co/4kYOFyhR5n(07月07日)



仕事に慣れても、けして馴れてはいけない。新人の頃に先輩にいわれた警句が思い出されます。

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