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2013年8月28日 (水)

隔離地域が必要だ

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=2547395 

今の東京電力・福島第1原発の問題を報じたり、論じたりする手法を見ていると、凄くミクロな話しは出来るけれど、敢えて避けているかのようにマクロな部分は触れられていない気がして仕方がないのです。

例えば、記事にある汚染水の問題を見てみると、それが明らかになっています。


東京電力・福島第1原発が事故を起こしたのは、2011年3月11日でした。既に現時点で2年以上が経過しています。

Fukusima3_old
当初から汚染水が問題になり、発電所の敷地内へ暫定的に、その汚染水を貯蔵するタンクが次々に設置されていきました。その頃は直ぐにタンクが必要だったために、円形のタンクをボルトで締めて組み立て、内部にシーリングをするというタイプが採用されました。これだと設置に1週間ほどの期間で可能だったそうです。一応、タンクから汚染水が漏れることを考慮して、設置場所にはコンクリートの土台を設けて、周囲には数十㎝の高さの壁を設けてありました。このタンクが設置される時点では、まさか2年も3年も、このタンクに汚染水を溜めておくなんてことは、誰も考えていませんでした。

それがどうも長期的な施設として汚染水タンクが必要なのではないかという認識を持ち始めたのが昨年のことです。その後に設けられたタンクでは、組み立てに溶接を用いて強度を高める工法が用いられています。この方法だと設置には3週間を要するとのことです。

本来なら、この簡易タンクに溜められた汚染水は、以下のような処理を施されていくべきでした。

①タンク内へ高分子凝集剤を投入し、放射性汚水に含まれる大まかな物質を沈殿させる

②次に高吸水性高分子(吸水ポリマー)を投入して汚染水の流動性を拘束し表面を防水シートなどで養生し保管管理する

③これらの汚染水を順次架設の設備でドラム缶に詰めていく。汚染水は流動性を抑えられている状態なので、流れにくいため簡単にこぼれもしないし、流出もしない半固体状態でドラム缶詰めされる

④ドラム缶詰めされた汚染水を架設の冷凍倉庫へ運びマイナス25℃以下にて急速冷凍する

⑤凍結乾燥法を用いてドラム缶の水分のみを蒸発させ、吸水ポリマーとともに別の格納容器に格納する。このとき乾燥した吸水ポリマーは放射性物質を吸着しているので、体積は1000分の1、200ml以下になっている。原理的にはドラム缶1000本の分の汚染水がドラム缶1本に十分収まる容積となる

⑥地下の恒久的な貯蔵施設に収納して厳重に管理する

仮に、③の状態にまで処理が出来ていたら、流失という事態が生じても、それは半凝固体です。事後に回収するにしても、処理対応は素早く出来たろうと思います。 しかし、そうは出来なかった。

⑥の恒久的な貯蔵施設の建設が出来ていなかったというのが一番大きな理由だと思います。そもそも施設の建設地を受け入れる場所がないのです。被災地域の瓦礫の処理ですらあれだけ当時は揉めていたのをご記憶だと思います。それが永遠に近い期間保管する施設を受け入れろと言われても、何処もそんな厄介者は受け入れたくありません。それは仕方がないことだと思います。

 

まず、論じないといけないのは福島第一原発事故の後始末と廃炉処理の問題です。それが解決できて、次に全国の原発の廃炉に向けた計画を長期スパンで議論して決定し、そしてその処理貯蔵施設をどうするのかが決まっていかないといけないのに、この議論をすっ飛ばして、今すぐ全面廃炉が必要とやっちゃうから、この問題そのものが絵に描いた餅になり、国政でも効果的な政策の議論が進まないのです。

そうしたもたつきには理由があります。

まず、民主党の野田政権は終息宣言をしてしまったため、あとは東電が処理してくださいという流れがどういうものか世論で容認されています。これはある意味、政治は逃げた格好なのです。なのに何となく誰もが一安心したいからなのか、もう忘れたいのか、遠い場所の出来事のような気分がまんえんしています。

次に、どういうものだか、それにマスコミがのっかり、東電バッシングだけをやり続けて、今回のような汚染水の流出事故でも、ただ漏れたことを追求(ミクロな問題)するだけで、根本的な解決方法(マクロな問題)をけして世論に喚起しないのです。

では、どうして、そんな流れが出来ているのでしょう。



それは、未だに福島第一原発の設置されている、福島県双葉郡の大熊町・双葉町・浪江町に関して、政府が今後どうするのかを明確にしていないからです。(他にも避難地域はあります)

○大熊町 → 事実上全域が立入禁止

「帰宅困難区域」(作業員以外の住民の立ち入り・一時帰宅禁止):町全体の96%
「居住制限区域」(日中の時間帯のみ、町からの許可を得て一時帰宅可) 
「避難指示準備解除区域」(日中の時間帯のみ、町からの許可を得て一時帰宅可) 
 これらを合わせて町全体の4%

○双葉町 → 事実上全域が立入禁止

「帰還困難区域」:町全体の96%
「避難指示解除準備区域」:町全体の4%

○浪江町 → 原則立ち入り不可

「帰還困難区域」:町西部の山間部 町全体の約20%
「居住制限区域」:中央の平野部(平成16年を目処に制限解除予定)
「避難指示解除準備区域」:東側海沿い(平成16年を目処に制限解除予定)
これらを合わせて町全体の80%

明確にしないのは、この3つの町がこれからも居住不能なのは明らかなのに、それを明言して、他の地域に町を再建するという事が出来ない政治力のなさがあるからです。しかも、こういうことは事故が起きて半年あたりで、住民に説明をし、事実を告げて説得を行い、半ば強制的に移住をさせない限りは、何年、何十年も掛かってしまうのは、成田空港闘争などを見ていても明らかだからです。その決断が出来なかったのは誰かと言えば、あの管直人政権です。そして、その後を引き継いだ野田政権は、終息宣言を出して政治的な関与を震災救援が終えたのと同じレベルで幕引きしてしまったのです。



この両町を他の地域に移設して再建を始めていれば、この両地域へ廃炉や処理施設を建設することは可能になります。しかも永久に一般人は立ち入り出来ない地域(大熊町(78.70 km²)は概ね藤沢市と同じ広さ、双葉町(51.40 km²)は概ね東京都練馬区と同じ広さ、浪江町(223.10 km²)は概ね千葉市と同じ広さ)が政府の用地として確保できた筈です。

勿論、そんなことをしたら非難囂々になるでしょう。しかし、断固として対応しないから、世界中には日本が放射能事故にちゃんと対応できないことを明らかにし続けているのです。しかし、国内の世論が大事で、政権の維持が大事で、批判されるよりも、賞賛されるという道しか選択できない政党が残したこの難題をもって、今の与党を批判するのは筋違いですが、それでも政府である以上はこの問題の処理を決断しなければ、我々は半永久的にひとつの原発事故に振り回され続けるでしょう。

困難を避けて先送りをするという風潮は、日本でバブル期以降に顕著になったと個人的には思うのですが、政府や自治体が、その風潮にどっぷり浸かってしまっていては、国の役割を果たせません。

それだけは言えます。

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