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2013年8月20日 (火)

艦長という仕事

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130619-OYT1T01061.htm?__from=mixi


(門司港から出港し関門海峡(早鞆の瀬戸)を通過し、母港の呉に向かう「しまゆき」)

「海上自衛隊の練習艦「しまゆき」(3050トン)が11日夜、関門海峡を航行中、航路の中央寄りを航行したため、対向してきた貨物船に接近し、衝突を避けるため緊急の回避行動を取っていたことが、門司海上保安部の調べでわかった。貨物船側が回避を呼びかけ、練習艦も応じたため衝突は免れたが、同保安部は大谷三穂艦長(42)らから事情を聞き、しまゆきの航行が適切ではなかったとして再発防止を求めた。関門海峡の航路は、港則法に基づく特定航法で「できる限り航路の右側を航行しなければならない」と定められている。同保安部によると、しまゆきは11日午後8時50分頃、山口県下関市沖の六連島(むつれじま)東側付近を航行中、パナマ船籍の自動車を運搬する貨物船(2万6651トン)とすれ違う際、中央に寄っていたため、衝突の危険を感じた貨物船側が汽笛を2回鳴らして、左側に回避するよう求めた。2隻は最短で約250メートルまで接近したという。(2013年6月18日 読売新聞)」



「関門海峡で海上自衛隊の練習艦「しまゆき」が貨物船に急接近した問題で、運輸安全委員会の船舶事故調査官2人は19日、関門海峡海上交通センター(北九州市門司区)で両船の航跡データの提供などを求めた。20日には広島県呉市で大谷三穂艦長(42)らから聞き取りを行う。門司海上保安部によると、関門海峡では港則法に基づく特定航法で航路の右側航行が規定されているが、しまゆきで事前に作製された針路図は中央寄りになっていた。大谷艦長はこれまでの保安部の聞き取りに対し、「(針路図を)確認する暇がなく、針路が中央寄りに引かれていることを知らなかった」と説明したという。しまゆきは当初、関門海峡を通過する予定ではなかったが、台風接近のため、行き先が急きょ、佐世保基地(長崎県佐世保市)に変更された。(2013年6月19日 読売新聞)」


(右側が大谷艦長)

今年の3月の日記で防衛大学校の女性入学期(40期)1期生の中から二人の艦長が出たと書きました。その一人である「しまゆき」艦長の大谷三穂二佐が別の所で有名になってしまいましたね。

海上自衛隊の練習艦2隻に22日、初の女性艦長が誕生した。ともに呉基地(広島県呉市)所属の2等海佐の、大谷三穂さん(41)=大阪府吹田市出身=と、東良子さん(39)=金沢市出身。2人は初航海後の記者会見で「艦長になるのが夢だった」と喜びを語った。海自によると、女性隊員は現在、全国に約2400人。うち315人が艦艇の乗組員という。これまでにも女性艦長はいたが、ミサイルなどの大型火器を搭載できる艦艇では例がなかった。大谷さんは「しまゆき」、東さんは「せとゆき」に着任。今後はそれぞれ約200人の部下を率いる。(2013年3月24日 山陰中央新報)



素人の私には航行のルールは判りませんが、大谷艦長が本当に「(針路図を)確認する暇がなく、針路が中央寄りに引かれていることを知らなかった」と説明したとしたら、これは頭を傾げざる得ません。海峡の通航というのは海の難所です。そこを航行するのですから、艦長としては通い慣れた道であっても操艦を監督をしないとは思えません。たとえ操艦自体は当直士官が行っていたとしてもです。まして、この海峡では2009年10月27日(19時56分頃)に大韓民国籍コンテナ船「カリナ・スター」に護衛艦「くらま」が衝突され炎上した事案があったのですから。そうなると海図を確認できないほど忙しいというのはあり得ない話しだと思ってしまいます。仮に有り得るのなら、これは護衛艦艦内での業務システムを見直して貰わないといけません。

とはいえ、どんなトラブルが生じたにしても、最終責任は指揮官である艦長にあるというのが海軍における指揮権の根源です。「指揮」とは操艦、戦闘行動などで、隊員への管理行動であり、その権限に基づく具体的な意思の現われが「命令」です。艦長(指揮官)は、その「指揮」を取る権限を与えられた立場で、その権限に相応する責任(行動責任、任務遂行責任)が伴うものです。最終責任者である艦長が「忙しすぎて海図を確認する暇がなかった」と発言してしまうと、責任は海図を作図した部下、その海図をチェックする部下に及びます。軍事組織において、指揮の崩壊はあってはならないことです。それが揺らいでいるという気分にさせられました。

ただ、だから、やっぱり女は使えないなぁとなるのも困ります。それで、この問題を有耶無耶にされてもこまりますし。

練習艦「しまゆき」(TV-3518)は、「はつゆき型」護衛艦の12番艦でした。記事にもある通り、現在は「しまゆき型」練習艦の1番艦として活躍しています。進水が1986年1月29日ですから、現在艦齢は28年。護衛艦の耐用年数は概ね30年ですから、近い内に退役することになるでしょう。

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コメント

突然失礼致します。記事を拝見しましたが、私は艦長さんや乗組員があえて「忙しすぎて・・・」と一丸となり訴えかけるように発言したのだと想像しています。自衛官は誰一人として他人のせいにする人等いないと私は信じています。御安航を祈る

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