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2014年3月 7日 (金)

色々深刻な韓国社会

http://www.news-postseven.com/archives/20140228_240923.html

 韓国で一般国民を対象にした国民年金制度が導入されたのは1988年。当初は「従業員10名以上の事業所で働く労働者」が対象で、国民皆年金が実現したのはわずか15年前の1999年だ。

 国民年金は「事業所加入者」(企業就労者)と「地域加入者」(自営業者など)に大別され、前者は保険料を労使で折半。後者は全額個人が支払う。専業主婦などの任意加入も可能だが、韓国国民年金研究院による昨年の調査では国民の約4割がいずれの年金にも未加入だった(15歳以上の世帯で所得のある者を対象とした調査)。

 制度導入当時、基準所得額(日本の標準報酬月額に相当)の3%だった保険料率は段階的に引き上げられ、現在は一律9%となっている。また現行の受給開始年齢は60歳だが、2033年までに65歳まで引き上げられることが決定済みだ。韓国の就労者の実質的な定年は50歳代。受給開始までの数年間、場合によっては10年以上も無収入になる恐れがある。

 それだけではない。税金を投入しないため、年金支給額も減らされ続けている。40年間加入した場合の給付額の所得代替率(現役時代の収入に対する割合)は当初の70%から60%(1998年)、50%(2007年)と引き下げられ、今後も毎年0.5%ずつ引き下げて2028年に40%にすることが決まっている。

 昨年、国民年金を管理・運用する国民年金公団(NPS)が1955~63年生まれ(ベビーブーム世代)の年金加入状況を元に、彼らが将来的に受け取る年金を試算。1人当たりの平均受給月額は約46万ウォン(約4万4000円)となり、生活保護の現金給付月額約49万ウォン(約4万7000円)を下回った。

 一方で、この世代の実に50.8%が年金未加入という調査報告もある。被保険者の配偶者を対象とする「第3号被保険者」のような制度がなく、女性の任意加入者は少ない。なお、最低加入期間の20年を満たさない場合は受給額を大幅減額されるため、手にする金額は日本円で数千円ということもある。

 それでも、年金を受け取れる世代はまだ恵まれている。韓国では制度開始からわずか25年余りで早くも年金制度崩壊の危機が叫ばれているからだ。亜細亜大学アジア研究所・奥田聡教授が語る。

「韓国の少子高齢化は深刻で2026年には老齢人口比率が20%の超高齢社会になります。現在、現役世代6人で高齢者1人を支える世代間扶養比率が30年後には1.6人で1人を支えることになる。今後、保険料率と受給年齢を段階的に引き上げたところで将来的な制度の維持は極めて難しい。政府は年金財源の枯渇を2060年ごろとしていますが、かなり甘い見通しと言わざるを得ません。政府は税金を投入する余裕もない」(※SAPIO2014年3月号)

*「韓国の年金制度



韓国の平均寿命は、男性70.37歳、 女性78歳です。韓国では年金制度に税金が投入されていません。そのため少子化による影響を考慮して、韓国政府が選択したのは、給付の維持ではなく負担の抑制です。1997年までは40年加入した場合で70%の給付率でしたが、1998年の法改正で60%に引き下げられました。そして2007年の法改正では2007年は50%、それ以降は毎年0.5%ずつ引き下げることで2028年に40%へ引き下げることが決まっています。

韓国は最も少子化のスピードが速い国で、2005年の統計(暫定)によると、1人の女性が一生の間に産む子どもの数は1.08人。香港、シンガポールと列んで世界最低ランクです。これは日本よりもずっと低い数字です。このままの出生率で進めば、総人口は2020年をピークに減少していき、約152万人の労働力不足が起こり、潜在経済成長率は2040年代に0.74%に低下すると予想されているほど深刻です。

少子化に伴う労働力不足への対応は普通、移民による補充です。

2012年11月の韓国国立統計庁は報告書によると、韓国には111万4000人の移民が暮らしているそうです。これは人口のほぼ2%に相当します。その内のおよそ82万人の移民が外国人労働者として働き、53%の労働者が1週間で平均50時間以上働いており、75%が月200万ウォン(1800ドル)を稼いでいます。彼らの就労先は韓国人には魅力的でない、いわゆる「汚い仕事」、「きつい仕事」が大半だそうです。

韓国社会はもともと余所者に閉鎖的なところです。ですから、韓国の労働移民は韓国社会から孤立しています。ほとんど不可視民の扱いだそうです。そのため韓国での稼ぎを貯めたら、さっさと帰国することが多いようです。

とはいえ、前述の2020年に予測されている152万人の労働力不足を外国人労働者で補おうとすれば、約2500万人しか就労人口のいない韓国社会に大きな影響を及ぼします。しかも、韓国の労働人口の平均年齢が年々高くなり2020年頃には40歳に達すると予測されています。 若年労働人口の減少は国防にも大きな懸念材料です。

つまり韓国の未来はとても深刻なのです。

これを解決する禁じ手が南北統一です。北朝鮮の人口は推計で2200万人。北の平均寿命は40歳と低いため、高齢化が起きていません。少子化もありません。労働人口は700万人前後。そう考えると、開城工業団地で北朝鮮が土地と労働力を提供し、韓国が技術と資本を提供する試みは、双方の政治体制を崩すことなく、お互いに利益のあることなのだとも言えます。

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