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2014年3月 7日 (金)

対岸の火事ではないウクライナ問題

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2792565
「ロシアがウクライナ南部クリミア半島の実効支配を強めるなか、クリミア自治共和国の最高会議(議会)は6日、ロシアへの編入を求める決議を採択したほか、ロシアへの帰属替えの是非を問う住民投票を16日に実施することを決めた。これに対し、オバマ米大統領が住民投票に反対する姿勢を示すなど、情勢は一段と緊迫している。
欧州連合(EU)は、クリミア半島におけるロシアの行動は違法だと非難した上で、ウクライナの領土保全を支持すると表明。ただ、ロシアに対する当面の制裁措置としては、査証(ビザ)発給と貿易自由化に関する協議の停止など、小幅な内容にとどまった。また向こう数日以内に協議が開始され、一定の時間的枠組みの中で何らかの結果が出ない限り、渡航禁止、資産凍結、EU・ロシア首脳会談の中止などの追加的な制裁措置に踏み切るとした。
こうしたなか、オバマ米大統領は6日、「ウクライナの主権や領土保全を脅かすロシアやウクライナの個人や企業」を対象に制裁を発動する大統領令に署名した。在米資産の凍結や米国への渡航禁止などを柱とし、クリミア半島をめぐるロシア側の動きに対抗した。米政府高官によると、プーチン大統領は制裁対象に含まれていない。
ホワイトハウスは声明で「ウクライナの不安定化に直接関わった者に制裁を科すことができる、柔軟性のある手段」とし、状況が悪化すれば追加措置も辞さない構えを見せている。クリミア自治共和国の住民投票について、オバマ大統領は記者団に対し、「ウクライナの憲法、および国際法に違反する」と指摘。その上で「ウクライナの将来に関するいかなる議論も、同国の正統な政府の関与の下で行われなければならない」との考えを明らかにした。
米ロ外相は6日、ウクライナ問題をめぐりローマで再び会談した。ケリー米国務長官は、ウクライナ情勢の安定化に向け「各関係者が交渉のテーブルに着けるかどうかを見極めるべく、双方が引き続き緊密に連絡を取っていくことで合意した」と語った。米大統領令署名については、制裁発動に向けた法的枠組みとなるが、ウクライナ問題をめぐる対話の道は引き続き開かれているとも述べた。」
1936年3月7日、ヒトラー率いるナチスドイツが、ヴェルサイユ条約により非武装地帯と定められていたラインラントにドイツ陸軍を進駐させ、同地のアーヘン、トリーア、ザールブリュッケンに兵営を設けて駐留を開始させました。
第1次世界大戦に敗戦したドイツは、1919年6月28日に連合国と平和条約である「ヴェルサイユ条約」に調印。同条約の第42条と第44条には、ドイツは「ライン川左岸以西並びに右岸沿い幅50kmに要塞等の軍事施設を建築・維持してはいけない」と定められており、更に、「条項に違反する行為がどのような形でも行われた場合、これは連合国に対する敵対的行為、(中略)世界の平和を脅かす行為とみなす。」と明言されていたので、この行為は重大な条約違反です。
だから、ヒトラーも内心は相当ビビってたそうです。作戦は冬季演習という秘匿名称の下に、フランス政府の省庁が休みになる土曜日に実施することにしたほどなのですから。
ところが、国境を接するフランスは、「フランス政府は条約違反に対して抗議し、フランス軍は国際連盟の下す決定に従う。」という声明をだしただけ。イギリスはドイツとの戦争を回避したいため、事態を静観する及び腰。その後開かれたに国際連盟でドイツへの制裁に積極的だったのはソ連のみ。総会はドイツのラインラント進駐がヴェルサイユ条約とロカルノ条約に対する違反であると断言したものの、ドイツは「ヨーロッパにおける領有主張を行うつもりは無い」と主張して終わり。
第2次大戦後、ドイツ軍のハインツ・グデーリアン将軍は「ラインラントへ兵を進めた後の48時間は私の人生で最も不安な時であった。 もし、フランス軍がラインラントに進軍してきたら、貧弱な軍備のドイツ軍部隊は、反撃できずに、尻尾を巻いて逃げ出さなければいけなかった。」と回顧しています。
条約違反を犯したのに、事実上の違法行為を追認された格好になったヒトラーは図に乗ってしまいます。
それじゃと、1938年3月12日午前8時に、オーストリア制圧作戦『オットー』を発動してドイツ軍の進駐が開始されました。オーストリアでは、1932年の地方選挙においてオーストリア・ナチス党が台頭していたし、1936年7月には独墺協定が結ばれてドイツが干渉する下地は出来ていました。オーストリア政府の反ナチス派は、国民投票を実施して、国民に「ドイツとの合併」か「自主独立」か選択させ、国際社会に国民の総意として、ドイツの干渉を拒絶していると公言することを試みようとしていたのです。それがヒトラーのやる気を引き出しました。だから軍を進めたのですが、その判断の背景にあるのは、ラインラント進駐での国際社会の消極的な態度でした。
そして、読み通り再び英仏は、この併合を批判しながらも追認したのです。
次いでヒトラーはチェコスロバキアのズデーテン地方の併合を試みます。その動きを察知した英仏は、1938年9月29日に開催されたミュンヘン会談で外交交渉で問題解決しようと試みます。しかし、チェンバレン英首相とダラディエ仏首相は、ヒトラーに妥協して、ドイツの要求する、ズデーテン獲得、さらにポーランドのテシェン、ハンガリーのルテニア等の領有要求を承認してしまいます。これらの地域にはドイツ系住民が多く住み、ナチスは民族自決主義を掲げていたので、ドイツ系住民の安全を確保すると伴に、併合はドイツ系住民の要求であるというドイツの主張を認めたのでした。
ヒトラーは英仏の消極的な態度にますます確信を持ち、1939年3月15日にチェコ全域を占領してスロバキアを独立させ保護国としてしまいます。これはミュンヘン会談での約束を反故にする行為ですが、英仏は再び動きませんでした。
そのため、1939年3月22日にドイツはリトアニアからメーメル地方を割譲させ、さらにポーランドに対し、東プロイセンへの通行路であるポーランド回廊及び国際連盟管理下の自由都市ダンツィヒの返還を要求。ポーランドがこれを拒否すると、4月28日にドイツは「ドイツ・ポーランド不可侵条約」(1934年締結)を破棄すると一方的に通告し、同年9月1日早朝にポーランドへドイツは侵攻を開始したのでした。
さすがに、これには英仏も我慢が出来ず、9月3日にドイツへ宣戦布告を行い、第2次世界大戦が始まりました。
以上、歴史の授業は終わりです。
今回のロシアによるウクライナ侵攻は、クリミア半島に多くのロシア系住民が住み、ロシアに併合されるのを、此の地域の住民で反対する勢力は少ないと思われます。しかも、ウクライナはロシアと戦争を行ってしまえば、国ごとロシアに占領されることにもなりかねないほど、軍事力の格差があります。
米国もEUも、今はロシアと戦争を開始する決断をするとは思えない状況です。EUはロシアから、その消費量の2割の天然ガスをパイプラインで購入しています。ロシアはその供給を意図的に中止することだってやりかねない国ですから。米国は10年にも及ぶイラク戦争やアフガン戦争からやっと手を引こうとしてるところです。自国にロシア軍が攻め込んでこない限りは動く気はないでしょう。
つまり、外交的な努力は今後も継続されるでしょうが、現状での目標はこれ以上のロシアによるウクライナ侵攻を止めさせることに主眼が置かれると云うことです。実際、ロシアはウクライナの国境近くで行っていた軍事演習を終えると、部隊は引き上げを開始していると発表していますから、プーチン大統領も、この方向性で妥協を計るという意思表示を行っています。
さて、この状況を見ている中国はどう考えるでしょう。
何の抵抗も受けない状況や、軍事力に劣る国の領土であれば、それを占領してしまっても、国際社会は非難をするばかりで、何ら行動を起こすことはないと判断をしないでしょうか?
実際に、尖閣諸島に中国軍が侵攻してきて、それに対して日本政府が外交による解決を決断したら、幾ら国連で非難決議が出されても、中国は自国の領土を回復しただけと言い張るでしょう。国際社会は、何処も軍隊を送って助けては呉れないのはウクライナの現状を見ても明らかです。
最近国会で話題になっている集団的自衛権の解釈変更問題。これは、中国との紛争が起きた際に、日米安保条約に基づいて、来援する米軍を日本は護りますよという外交アピールを安倍政権が行っているに過ぎません。なにせ、解釈は時の政府が行うと云っているのですから。
それを的外れな論理で大きな騒動にしている国会議員の皆さん。まぁ、その人達が紛争が起きた際にも、武力では無く外交で解決しようと提案する人達となるのは明白です。その連中の名前をよく覚えておきましょうね。

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