旅行・地域

2005年4月13日 (水)

温泉に行こうよ

kuri04温泉は冬に訪ねるのが一番楽しいと思う。出来れば雪深い東北か北海道が良いと思う。しかし、冬には訪ねられない温泉もある。あまりに雪深くて、冬季は休業するからだ。有名な秋田の玉川温泉も昔は冬季休業だった。それがあまりの人気で、最近は国道が除雪されるようになった。それでもバス停からは宿の雪上車が出迎えてくれないと辿り着かないらしい。そんな難所でも玉川温泉を目指す人は絶えないという。確かに素晴らしい温泉だし効能もある。でも、秘湯が秘湯でなくなるのは何となく寂しい気がする。宿の人も20数年前に訪れた頃とは比べ物にならないほど、人裁きが上手くなり、食堂の食事も朝夕はバイキング式になりコジャレている。泊まり客の小父さんに一合瓶の2級酒を奢って貰う雰囲気はなくなってしまった。変わらないkuri00のは温泉だけ。

偶然に訪れた須川高原温泉は、そんな昔の秘湯の趣が残る宿のひとつである。中尊寺のある岩手県一関市。その郊外の栗駒山中腹にある一軒宿の温泉。一関市内から車でのんびり行って1時間ほどの距離だった。バスも一ノ関駅から出ている。この温泉は豪雪地帯故、毎年5月から10月までしか営業していない。5月でもストーブが出ている高地にあり、夏でも朝夕は涼しい。この温泉のお薦めは露天風呂。とにかく他にはない開放感がある。その上、強酸性の明礬緑礬泉は玉川温泉にも劣らない。のんびり湯に浸かれば開放感も伴って心身共に癒される。宿の人の話だと、此処の温泉は、玉川温泉、川湯温泉(北海道)と並ぶ日本の三大酸性泉とのこと。強酸性泉に入浴すると、人間の身体は刺激を受ける(驚かせて)。この刺激が人間に備わった自然治癒能力を高めてくれるという。強酸性泉が医者に見放された難病を治癒させたというのも、こうした効能のせいだろうか。また、須川高原温泉では湯に明礬が含まれているので、肌にも優しく接してくれる気がする。無論、湯上がりは肌がすべすべになる。こんな効能がある温泉だから、出来たら2泊3日位はのんびりしたい。この宿には湯治客のための宿泊も用意されている。自炊でのんびりできる部屋は、一泊4千円代からとお手軽らしい。開放感が最高な露天風呂に浸かり、高原の澄んだ空気を吸いながら、ボーツとすると、ストレスも消えて頭の中も整理できる。できるなら、この宿への到着は午後4時頃にして欲しい。陽のあるうちに、まず露天風呂を楽しめれば、その後の気分は爽快である。山歩きの好きな人は、この宿を足場に日帰りの登山もできる。付近には間欠泉や霊場など見所も多いの滞在しても退屈はしないだろう。宿泊料金もそんなに高くない。一泊二食で1万3千円前後から。

  須川温泉 須川高原温泉                                    

〒021-0101 岩手県一関市厳美町マツルベ山  

TEL:0191-23-9337・FAX:0191-23-2550                             

須川高原温泉のHP http://www.isop.ne.jp/sukawa/front.htm

この須川温泉に行く気になったら、遠方の方は空路で花巻に降りて欲しい。車の運転が出来る人は、ここでレンタカーを借りることをお薦めする。                     

花巻で有名なものと云えば宮沢賢治。市内には記念館もある。興味があれば立ち寄りをするのも楽しい。私は花巻に来ると、宮沢賢治が花巻農学校の教員時代に愛した蕎麦屋に顔出すことにしている。賢治は、この蕎麦屋でいつも天麩羅蕎麦を注文し、一緒にサイダーを楽しんだと云われている。東北の天麩羅蕎麦は、ごま油で揚げる関東風の天麩羅が多い。関西人の私にはしつこく感じさせる。しかし、ここは菜種油なのであっさりして口に合う。別に他の蕎麦を食べても構わない。どの蕎麦も美味しく頂ける。                                     

『やぶ屋』 「よく藤原嘉藤治氏や友人同僚を誘って,今日はBUSHへ行きましょうか,などといって,吹張町の藪そばへ連れて行きました。藪そばのものでも,特に天ぷらそばは賢治愛好の食品ですから,たびたび食べに行かれました。病中にも天ぷらそばを思い出して家人と話された事があるそうです。原稿がどんどん売れたら,友だちと好きなそばでも食べようなどと冗談も言っておりました。たしか東京の知名の文士にトラック1ぱいの原稿を送り,今度原稿料が入ったらBUSHへ連れて行くぞと愛弟の清六さんににやにや笑いながら申したと言うくらいですから,BUSHは相当賢治にとって魅力があったわけです。」                                                     

やぶはBUSHのこと。昔は英語の隠語がお洒落だった。

「やぶ屋のメニューの中でも,賢治の好物は天ぷらそばでした。また,サイダーも好物で,賢治が1杯飲みましょうかと誘うのは,お酒ではなくサイダーで,天ぷらそばとセットで注文するのが常でした。」                                         

当時はかけそば6銭、天ぷらそば15銭、サイダー23銭、なんと天ぷらそばよりサイダーのほうが高かった。宮沢賢治の当時の月給は80円。賞与は100円だった。経済的にはそんなに困っていなかった。当時はサイダーが最先端のハイカラな飲み物だったらしい。賢治は実家が裕福で、本当は坊ちゃんだった。そんな彼の感覚が天麩羅蕎麦より高いサイダーを注文できるところに見て取れて面白い。

花巻を出たら、一ノ関で中尊寺や高館、厳美渓などの名所旧跡をまわるのは楽しい。芭蕉の奥の細道を辿るのも面白いし、義経に思いを馳せるのも楽しいだろう。ここは東北の京都といっても良い古都なのだ。

今年も須川温泉が開かれる日が近い。温泉に行こうよ。                                                    

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